母との電話
正直、私は母のことがあまり好きではありませんでした。
過保護なんじゃないかと言われるたびにうっとうしいと思ったり。
こんな家に生まれなければよかった!と言ってしまったり、あんたなんか生まなければよかった!と言われたことも、1度や2度ではありませんでした。
「絶対に大学合格して、この家を出る」と書いた付箋を勉強机の前に貼ってやる気を出すくらい、私は母のことがあまり好きではありませんでした。
今日、久しぶりに母と電話をしました。
ただひたすらに、最近あったこととかを聞いてもらう。
あ、久しぶり、と言っても2週間ぶりくらいだけれど。
ぶっちゃけ、今はすごく、母との電話を楽しんでいます。
1人暮らしを始めて、どれだけ支えられていたかを知りました。
帰ってきてから1日のあったことを全部聞いてもらって、実はすっきりしていたこと。
脱ぎっぱなしの服をたたんでしまっておいてくれていたこと。
ピアノの音を聞いただけで「今日何かあったんだろうな」と気づいてそっとしておいてくれたこと。
ちょっと疲れたかな~というタイミングで好きなトマトの煮込みハンバーグを作ってくれていたこと。
勉強の息抜きになるように、とお気に入りのカフェや文房具屋さん周りに付き合ってもらっていたこと。
焼肉屋で絶妙な焼き加減のお肉を私にくれていたこと。
なにより、口でどれだけけなしてきても、心の底では私を信じてくれていたこと。
仕送りの荷物一つ一つに、どう仕舞うのか、どう使うのか書いてあったり。
私の大好きなあめちゃんを送ってくれたり。
地元でしか売ってない期間限定商品をわざわざ買っておいてくれたり。
でもさすがに、私の恋愛にめっちゃアドバイスしてくるのは、やりすぎかな笑。
母は、私が何かをやりたいといったとき必ず反対するんです。
でも、どうしてもやるんだって私が言い張れば、必ず応援してくれる。
おばあちゃんたちからチクチクと文句を言われても、私のやりたいことをやればいいと言ってくれる。
お金のことはいいから、と、自分は節約をして、私の習い事やいろいろなことにお金を使ってくれる。
やりたいって言ったことは全部やらせてあげたい、と言ってくれる。
「どうせできるわけない」と言ったら、そんなこと言うからできないんだと、発破をかける。
1人暮らしを始めて3か月、正直「帰りたい」と思う日のほうが多くて、夜1人で泣いてしまう日もある。
それでも踏ん張れるのは、「あんたなら大丈夫」と、信じて送り出してくれた人がいるからだって今は思う。
帰る場所があるっていう事実だけで、人は強くなれるんだ。
無条件に信じてくれる人がいるっていうだけで、人はがんばれるんだ。
私もいつか、そんな風に誰かを支えることのできる人になりたい。
またね。